シャリファと家族は、シンジャールの出身です。武装集団の攻撃から逃れて、イラク北部クルド自治区の国内避難民キャンプ、マミリアンキャンプに6年以上住んでいます。 UNIDOの避難民の生計支援プロジェクトにより、雌鶏17羽と雄鶏2羽の支援を受けました。
イブラヒムは、職場である携帯電話ショップに来たお客さんに元気よく挨拶をします。彼は最近、修理の講習を受講し終わりました。そこで学んだ技術や機器の使い方を活かせることにワクワクしています。しかし、この気持ちの裏には悲しみがありました。
ハディ一家はシンジャール近郊の村の出身です。ハディは12歳で学校を辞め、家族を養うために建設現場や工場で働きました。2014年にISISの攻撃があったとき、彼と家族は徒歩で逃げました。シリアとの国境まで7日間歩き、そこからザホまで北上しました。彼らは建設中のビルで1年間暮らし、シェハン・キャンプに移りました。
イラク北部のアクレ難民キャンプに住んでいるグルジンは、シリア北部のカミシュリ出身です。彼女がシリアを離れたのは2013年4月20日、紛争が勃発した2年後でした。彼女は弟と一緒に、ドホークに何年も住む結婚した姉を訪ねました。シリアに帰る予定はありませんでした。グルジン、弟夫婦とその子どもたちはアクレ・キャンプに住み始めました。
ハザールはシリアのカミシュリ出身です。子どもの頃から大工の父の仕事を手伝いました。大学では、デザイン工学と機械工学を学びました。卒業後、専門分野の仕事は見つけられず、自分の車でドライバーとして生計をたてました。2014年、シリア北東部の2つの都市を結ぶ定期路線で 、ミニバスを運転していました。ある日、乗客としてシリアの軍人4人が乗車していた際、ISISの武装集団がバスを止めました。女性の乗客は全員解放されましたが、ハザールと4人の軍人は拘束されました。
2018年、シリア北東部の自宅近くまで爆撃が迫ってきた時、シャナズは夫とともに、子どもたちを安全な場所に避難させる必要があると考えました。しかし、シャナズの夫は病気で、国境を越えてイラク北部のクルド自治区に家族全員で避難するためのお金がありませんでした。そのため、シャナズと子どもたちだけでの避難を決断しました。その時、一番下の子は、わずか生後2カ月でした。
アグリ・ビジネスプロジェクトは、クルド自治区の中でもっとも町から離れた難民キャンプに、安定した食糧自給の仕組みを提供しています。食糧自給と生計向上プロジェクトの受益者として選定されたシリア難民は、2020年3月に開始されたUNIDOプロジェクトにより卵を収穫し始めています。
UNIDOは、イラクのクルド自治区に暮らす難民の生計トレーニングを実施しています。ダラシャクラン・キャンプでは、農家、在宅製造、中小企業までの食品生産に携わる人々に対して、衛生、安全、マーケティングのトレーニングを提供しています。